令和2年度事業報告

  • 1.事業概要

     文化、経済、学術、マスコミ、行政など多様な分野で活躍している人たちが一体となり、平成23年2月に発足した「文化・経済フォーラム滋賀」は10年目を迎えた。令和2年度も引き続き滋賀県の文化・経済の発展に寄与するため、各種事業の一層の充実に努めた。
    「文化で滋賀を元気に!」するプロジェクトについて、フォーラム発足から大賞を含め54の個人・団体を表彰してきた「2020文化で滋賀を元気に!賞」をはじめ、シンポジウムでは「アートよし/地元よし/未来よし 新・三方よしのつくり方」、文化ビジネス塾では「アートを地域のプラットフォームに」をそれぞれテーマに、芸術文化を通じた地域の持続可能な取り組みについて議論した。
    「文化で滋賀を元気に!」する情報交換の場の提供について、総会での講演会、演奏会、交流会および文化経済サロンを開催し、講師や会員どうしの交流を深めた。
    「文化で滋賀を元気に!」する広報活動の展開について、ホームページによる当フォーラムの発信やニュースレターによる事業の告知や結果概要、会員の活動紹介等を行った。
     なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、5月に開催を予定していた「文化経済アートステージ」を中止、また「文化で滋賀を元気に!シンポジウム」ではオンラインによるライブ配信を行った。

     ○会員数は下記のとおり。 ※( )内は平成30年度会員数

      会員数 161人(団体) (181)
      ・内訳

          個人  91人 〔県内80、県外11〕 (104)
          団体  29団体 〔県内28、県外1〕 (30)
          法人  41団体 〔県内41、県外0〕 (47)

    2.事業実績

    (1)「文化で滋賀を元気に!」するプロジェクトの実施

    ①「2020文化で滋賀を元気に!賞」の実施

     文化の力で、活力あふれる地域社会の実現に貢献されている団体または個人に、感謝と今後の活動を期待して表彰する「2020文化で滋賀を元気に!賞」を実施した。県内各地から27件の取組に推薦があり、その中から4団体が大賞(1件)と各賞(3件)に選ばれた。
     募集期間:8月1日(土)~10月31日(土)
     候補件数:27件
    ★大賞

    <至福の音楽空間を求め文化賞> フィガロホール(大津市) ※( )内は主な活動地域
    ☆各賞

     <神社仏閣から地域の歴史をひもとく文化賞> 近江八幡市郷土史会 (近江八幡市)
     <笑顔・アート・ひと。集いにぎわう町の玄関文化賞> 愛知川駅コミュニティハウスるーぶる愛知川 (愛荘町)
     <美しい森を次の世代へ文化賞> 山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会 (長浜市)

     

    ○表彰式:令和3年2月13日(土)
    受賞団体には、表彰状と賞金(大賞10万円、各賞3万円)を贈呈。

     

    ②「文化で滋賀を元気に!」する調査研究、提言

     滋賀県の文化振興に関する調査研究をするとともに、地域経済の振興という観点から文化を考え、新しい構想やプロジェクトの提案を行った。

     

    ア 文化で滋賀を元気に!シンポジウム

     アートを柱に次世代へつなぐ「新・三方よし」を考えるシンポジウムを開催。基調講演では、アーティスト・イン・レジデンスをはじめ数々のアート・プロジェクトが新しいライフスタイルやワークスタイルを生み、創造的人材が集積することで人口減少の町を変えた徳島県神山町の事例を伺った。パネルディスカッションでは、県内の取り組みを参考に芸術文化の必要性や地域の担い手の育成について議論した。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、参加は来場とオンライン配信のハイブリッド型で実施した。

    日 時:10月18日(日)14:00~17:00
    会 場:滋賀県立文化産業交流会館 小劇場(米原市)
    ・テーマ:アートよし/地元よし/未来よし 新・三方よしのつくり方

      講師:大南信也氏(NPO法人グリーンバレー理事)
    パネルディスカッション
      パネリスト 大南信也氏
            松井ライディ貴子氏(Biwako Backroads 代表)
            竹内清臣氏(東近江市職員)
      司会進行 山下里加氏(京都芸術大学教授)
      事業コーディネーター:山下里加氏、
                 藤原昌樹氏(桃山学院教育大学准教授、文化・経済フォーラム滋賀企画推進員)
    共催:滋賀県立文化産業交流会館、(公財)滋賀県産業支援プラザ

     

    イ 文化ビジネス塾(第13回)
     第2回総会・提言「文化ビジネスの開発で滋賀の文化と経済に新展開を」を具現化していくための「文化ビジネス塾」。今回は、京都と滋賀の県境にある若手アーティストの共同アトリエにおいて、人々をつなぐ芸術文化の役割に注目し、将来を担う若手アーティストに滋賀で活躍の場を広げてもらうには何が求められるかを考えた。

    日 時:8月29日(土) 15:00~17:00
    会 場:山中suplex(大津市)
    ・テーマ:アートを地域のプラットフォームに
    ・ゲスト:山中suplex(石黒健一氏、小笠原周氏、小宮太郎氏、堤拓也氏)
          聞き手:小吹隆文氏(美術ジャーナリスト)
    共 催:(公財)びわ湖芸術文化財団地域創造部

     

    ウ 提言研究

     当フォーラムの事業と連携しながら、滋賀県の様々な現状から文化と経済について、新たな展開につながる提言を行う「提言研究」。これまでの提言や令和2年度事業において文化で地域を元気にしている先進事例を学んだり、実践者の報告や有識者のお話を伺い、フォーラム会員をはじめ事業参加者の皆さんと議論しながら、第11回総会での提言に向けて、芸術文化を通した地域の未来について考えた。なお、第11回総会では、提言をイメージした「びわ湖・アーティスツ・みんぐる」を開催。

     

    ③「文化で滋賀を元気に!」シンボルマークの利用促進

     県内において文化振興に関する事業を行う団体等多くの方が、シンボルマークの利用を通じて、「文化で滋賀を元気に!」していく気運や一体感が醸成されるよう利用の促進に努めた。

    (2)「文化で滋賀を元気に!」する情報交換の場の提供

    ①総会・講演会・交流会の開催

     滋賀県出身で、前『暮しの手帖』編集長の澤田康彦氏に、滋賀に対する思いをはじめ、次世代につなぐこと、新しい出会いの大切さなどのお話を伺った。「文化で滋賀を元気に!」する提言発表では、芸術文化を通して地域をつなぐ人材の育成について提言した。「2019文化で滋賀を元気に!賞」は、大賞に初めて食の分野が選ばれ、表彰式終了後は、びわ湖ホール声楽アンサンブルの演奏をお楽しみいただいた。

    ア 第10回総会(講演会・交流会)
      日 時:2月11日(火・祝) 14:00~18:10
      会 場:琵琶湖ホテル3階「瑠璃」(大津市)
      参加者:(総会)52人 (講演)177人 (交流会)54人

      <議 案>
       第1号 令和元年度事業報告(案)について
       第2号 令和元年度収支決算(案)について
       第3号 令和2年度事業計画(案)について
       第4号 令和2年度収支予算(案)について
    イ 演奏会:びわ湖ホール声楽アンサンブル
    ウ 「2019文化で滋賀を元気に!賞」表彰式
    エ 「文化で滋賀を元気に!」する提言発表
       提言:『文化で滋賀を元気に!多様な人材を育む地域活動の推進
           ~アートを媒介として地域の人々を繋ぐ地域コーディネーターの育成と活躍の場の創造~』
    オ 講演:「ふるさと、どんどん、ちかくなる ―大好きな だいすきな 近江―」
      講師:澤田康彦氏(編集者・エッセイスト、前『暮しの手帖』編集長)
    カ 交流会

     

    ②「文化経済サロン」の地域開催

     様々な分野で活躍される方を講師に招き情報交換する「文化経済サロン」。マリ共和国の出身で京都精華大学の学長を務めるウスビ・サコ氏に、グローバル化の中で受け入れていく多様な価値観を認め合う社会のあり方についてお話を伺った。なお、情報交換会は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため取りやめた。
     
     日 時:10月21日(水) 14:00~15:30
     会 場:びわ湖ホール 小ホール(大津市)
     ・講演:「文化芸術と地域の活性化 ~共生社会の実現に向けて~」
      ・講師:ウスビ・サコ氏(京都精華大学学長)
     共 催:滋賀県公立文化施設協議会

     

    ③「文化経済アートステージ」の開催

     会員ネットワークを活かして県内各地に出かけ、会員企業の社屋やゆかりのある施設で演奏会等を開催し、企業、演奏家および地域の方が出会い交流し、文化芸術を身近に感じていただく「アートステージ」。今回は、東近江市のガリ版伝承館において演奏会と展覧会を計画したが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止した。

    日 時:5月24日(日) 14:00~
    会 場:ガリ版伝承館(東近江市)
    内 容:「あかねさすガリ版伝承コンサート」
        会社紹介  サンライズ出版(株)
        コンサート
         出演:カトレア サクソフォン カルテット
            タドポールズ(男声カルテット)
        同時開催 「滋賀孔版の先駆 岩根豊秀作品展」
    共 催:(公財)びわ湖芸術文化財団地域創造部、新ガリ版ネットワーク

     

    (3)「文化で滋賀を元気に!」する広報活動の展開

    ① ホームページによる発信

     当フォーラムの紹介や入会案内をはじめ、各種事業の情報提供や「文化で滋賀を元気に!」シンボルマークの利用促進を行った。
     ・事業の告知、実施報告、提言
     ・規約、役員、総会資料の公表
     ・「文化で滋賀を元気に!」シンボルマーク利用促進 など

     

    ② ニュースレターの発行

     当フォーラム事業の告知や結果、会員の事業案内、投稿などを掲載し、年2回発行した。
    ・第7号(7月発行)
    「文化で滋賀を元気に!」するプロジェクト(文化ビジネス塾、文化で滋賀を元気に!シンポジウム)の告知、会員からの話題提供・活動紹介(ピアニスト 井尻愛紗、琵琶湖撫子協会、(株)叶匠寿庵)、「近江屋考」(最終回)、文化経済サロン(トップセミナー)告知 ほか

    ・第8号(12月発行)
    10周年を迎えるにあたって(木村至宏、石丸正運)、文化ビジネス塾開催報告、文化経済サロン(トップセミナー)開催報告、文化で滋賀を元気に!シンポジウム開催報告、第11回総会・講演会の告知、第1回~第11回総会、講演会、提言の記録 ほか 

     

    ③ 会員活動チラシの送付

     会員の活動チラシ等を当フォーラム事業案内に併せて、会員あてに送付した。

    (4)「文化で滋賀を元気に!」する事業への後援、参画等

    ①後援:5件 (9) ※( )内は令和元年度実績数

    ②参画:「近江の春 びわ湖クラシッ音楽祭 2020」推進委員

    ③加盟:(公社)びわこビジターズビューロー

    3.幹事会等の開催状況

    (1)幹事会

     8回開催
    (1月16日(木)、1月30日(木)、6月11日(木)、7月9日(木)、9月10日(木)、10月8日(木)、11月12日(木)、12月10日(木))

    (2)企画推進会議

     3回開催
     (5月29日(金)、8月21日(金)、12月25日(金))

     

     〇企画推進員 (規約第12条)

    氏 名 現役職名等
    秋村 洋 株式会社プラネットリビング 代表取締役
    角間 利昭 株式会社しがぎん経済文化センター 文化事業部次長
    加藤 賢治 成安造形大学 准教授
    中村 順一 文化・経済フォーラム滋賀 副代表幹事
    藤原 昌樹 彫刻家、桃山学院教育大学准教授