令和元年度 事業報告
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1.事業概要
文化、経済、学術、マスコミ、行政など多様な分野で活躍している人たちが一体となり、平成23年2月に発足した「文化・経済フォーラム滋賀」は9年目を迎えた。令和元年度も引き続き滋賀県の文化・経済の発展に寄与するため、各種事業の一層の充実に努めた。
「文化で滋賀を元気に!」するプロジェクトについて、文化ビジネス塾では「アートを産業にする」、シンポジウムでは「アートは地域に何ができるか〈滋賀編〉」をそれぞれテーマに、滋賀ならではの文化芸術と経済との連携による持続可能な創造活動について議論した。また、当フォーラム設立から実施する「2019文化で滋賀を元気に!賞」の募集をはじめ、「文化経済サロン」では、各分野でご活躍の講師を招き、これからの企業経営や共生社会におけるアートの大切さについて学ぶとともに、講師、参加者どうしが交流した。さらに、フォーラム会員の地域に出かけ文化芸術を身近に触れていただく「文化経済アートステージ」などを行った。
○会員数は下記のとおり。 ※( )内は平成30年度会員数
会員数 181人(団体) (186)
・内訳個 人 104人 〔県内93、県外11〕 (108) 文化団体 30団体 〔県内29、県外1〕 (29) 法 人 47団体 〔県内47、県外0〕 (49) 2.事業実績
(1)「文化で滋賀を元気に!」するプロジェクトの実施
①「2019文化で滋賀を元気に!賞」の実施
文化の力で、活力あふれる地域社会の実現に貢献されている団体または個人に、感謝と今後の活動を期待して表彰する「2019文化で滋賀を元気に!賞」を実施した。県内各地から21件の取組に推薦があり、その中から4者が大賞(1件)と各賞(3件)に選ばれた。
募集期間:8月1日(木)~10月31日(木)
候補件数:21件
★大賞<故郷(ふるさと)を育む伊吹の恵み(そば)文化賞>
伊吹そば生産組合(米原市)★各賞
<松明(たいまつ)結(ゆ)いで、世代をつなぐ文化賞> 文化遺産としての松明を次世代へ贈る会 (近江八幡市) <心を紡ぐコンサート、平和と希望を届ける文化賞> チャペルコンサート実行委員会 (草津市) <お寺で抽象画展文化賞> 西村(にしむら) 尚(なお)大(ひろ) 氏(文挙の会) (東近江市) ○表彰式:令和2年2月11日(火・水)
受賞団体には、表彰状と記念のトロフィー(陶芸家、京都精華大学名誉教授 川崎 千足 氏・制作)、賞金を贈呈。
②「文化で滋賀を元気に!」する調査研究、提言
滋賀県の文化振興に関する調査研究をするとともに、地域経済の振興という観点から文化を考え、新しい構想やプロジェクトの提案を行った。。
ア 文化で滋賀を元気に!シンポジウム
滋賀には多くのアーティストが県外から移住されているなか、アートと地域が有機的につながることで、どのような新しい未来を切り開いていけるか。各分野から事例発表をいただき、コメンテーターと参加者の皆さんとともに、アートを通した滋賀らしい創造活動について考えた。
日 時:11月30日(土)14:00~16:30
会 場:コラボしが21 大会議室(大津市)
・テーマ 「アートは地域に何ができるか〈滋賀編〉」
・コーディネーター 加藤 賢治 幹事
事例発表者
「アートと地域の出会い-瀬戸内海の島々の事例」
宮本 結佳 氏(滋賀大学教育学部准教授)
「越境Cross Border –滋賀と世界 工芸とアート」
田中 哲也 氏(陶芸家、IAC国際陶芸アカデミー会員)
「自然と文化を活かした地域づくり-近江八幡でのまちづくりの実践」
田口 真太郎 氏((株)まっせ マネージャー)
コメンテーター
岡田 修二 氏(成安造形大学学長、画家)
川戸 良幸 代表幹事イ 文化ビジネス塾(第12回)
第2回総会・提言「文化ビジネスの開発で滋賀の文化と経済に新展開を」を具現化していくための「文化ビジネス塾」。今回は、「アートを産業にする」をテーマに、アドバイザーに現代美術家で京都造形大学教授の椿昇氏を迎え、大学の卒業制作展を「アートフェア」に替えられたお話などをお聞きした。グループワークでは、参加者の皆さんと地域が芸術の担い手をどう受け入れ育てるか、自分たちの持つ力で何ができるかを考えた。
日 時:7月15日(月・祝) 14:00~17:00
会 場:びわ湖ホール研修室(大津市)
・レクチャー:「アートを産業にする」
講師:椿 昇 氏(現代美術家、京都造形芸術大学教授)
・ディスカッション
参加者によるグループワークウ 提言研究
当フォーラムの事業と連携しながら、滋賀県の様々な現状から文化と経済について、新たな展開につながる提言を行う「提言研究」。文化で地域を元気にしている先進事例を学んだり、実践者の報告や有識者のお話を伺い、フォーラム会員をはじめ事業参加者の皆さんと議論しながら、第10回総会での提言に向けて、アートを通した地域の未来について考えた。
③「文化で滋賀を元気に!」シンボルマークの利用促進
県内において文化振興に関する事業を行う団体等多くの方が、シンボルマークの利用を通じて、「文化で滋賀を元気に!」していく気運や一体感が醸成されるよう利用の促進に努めた。
(2)「文化で滋賀を元気に!」する情報交換の場の提供
①総会・講演会・交流会の開催
第9回総会後、「文化で滋賀を元気に!賞」2017受賞者による演奏会や2018受賞者の表彰式、提言は「アーティストと地域をつなぎ、新たな文化を育む」をテーマに発表した。講演会では、2018年度文化功労者で「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクターを務められる北川フラム氏に、「アートはその土地の生活や歴史を蘇らせる働きを持つ力がある」など示唆に富んだお話を伺った。
ア 第9回総会(講演会・交流会)
日 時:2月17日(日) 13:30~18:00
会 場:びわ湖大津プリンスホテル コンベンションホール「淡海」(大津市)
参加者:(総会)56人 (講演)123人 (交流会)58人
<議 案>
第1号 平成30年度事業報告について
第2号 平成30年度収支決算について
第3号 平成31年度(令和元年度)事業計画について
第4号 平成31年度(令和元年度)収支予算について
第5号 役員の改選(案)について
イ 演奏会:湖(うみ)笛(ぶえ)の会(2017文化で滋賀を元気に!賞 受賞)
ウ 「2018文化で滋賀を元気に!賞」表彰式
エ 「文化で滋賀を元気に!」する提言発表
提言:『アーティストと地域をつなぎ、新たな文化を育む』
オ 講演:「アーティストと地域をつなぐ-瀬戸内国際芸術祭を事例に-」
講師:北川 フラム 氏(アートディレクター)
カ 交流会②「文化経済サロン」の地域開催
様々な分野で活躍される方を講師に招き情報交換する「文化経済サロン」。9月には、ビジネス書大賞2018年準大賞の山口周氏を迎え、今日のビジネス社会における美意識の大切さについて、12月には、廃校となった小学校等を劇場にして地域の方とともに演劇活動を行う中島諒人(まこと)氏を迎え、文化芸術を媒介とした共生社会の実現について、お話を伺うとともに講師、参加者どうしの交流会を行った。
ア ビジネスカフェ
日 時:9月4日(水) 13:30~16:30
会 場:滋賀県立文化産業交流会館 第1会議室、館内カフェ(米原市)
・講演:「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?
~経営における『アート』と『サイエンス』~」
講師:山口 周 氏(著作家)
・交流会
共 催:(公財)びわ湖芸術文化財団、(公財)滋賀県産業支援プラザイ トップセミナー
日 時:12月13日(金) 14:00~16:45
会 場:びわ湖ホール 研修室、ロビーラウンジ(大津市)
・講演:「文化芸術と地域の活性化 ~共生社会の実現に向けて~」
講師:中島 諒人 氏(特定非営利活動法人鳥の劇場 芸術監督)
・交流会
共 催:滋賀県公立文化施設協議会③「文化経済アートステージ」の開催
会員ネットワークを活かして県内各地に出かけ、会員企業の社屋やゆかりのある施設で演奏会等を開催する「アートステージ」。令和元年度で6回目の本事業は、花文造園土木様により修復された近江商人の旧宅を会場にお借りして、企業、演奏家および地域の方々が出会い交流し、文化芸術を身近に触れていただく機会とした。
日 時:6月9日(日) 14:00~15:30
会 場:苑友會舘(東近江市)
内 容:「初夏の庭園コンサート」
会社紹介 花文造園土木(株)
コンサート
出演:ハープデュオ(山根 ひろみ、福知 幸)
弦楽カルテット(木下 知子(ヴァイオリン)、後藤 良平(ヴァイオリン)、
五十嵐 美果(ヴィオラ)、崔 明(チェロ))
共 催:(公財)びわ湖芸術文化財団
協 力:花文造園土木(株)(3)「文化で滋賀を元気に!」する広報活動の展開
① ホームページによる発信
当フォーラムの紹介や入会案内をはじめ、各種事業の情報提供や「文化で滋賀を元気に!」シンボルマークの利用促進を行った。
・事業の告知、実施報告、提言
・規約、役員、総会資料の公表
・「文化で滋賀を元気に!」シンボルマーク利用促進 など② ニュースレターの発行
当フォーラム事業の告知や結果、会員の事業案内、投稿などを掲載し、年2回発行した。
・第5号(7月発行)
文化ビジネス塾開催報告、会員からの話題提供(高梨 純次 氏、花文造園土木(株))、会員の活動紹介(藤原 昌樹 氏、岡本 光夫 氏)、「近江屋考⑤」 ほか
・第6号(12月発行)
文化で滋賀を元気に!シンポジウム開催報告、文化経済サロン(ビジネスカフェ、トップセミナー)開催報告、会員の活動紹介(彦根仏壇 井上 昌一 氏、新ガリ版ネットワーク)「近江屋考⑥」、第10回総会・講演会の告知、令和元年度事業報告 ほか③ 会員活動チラシの送付
会員の活動チラシ等を当フォーラム事業案内に併せて、会員あてに送付した。
(4)「文化で滋賀を元気に!」する事業への後援、参画等
①後援:9件 (8) ※( )内は平成30年度実績数
②参画:「近江の春 びわ湖クラシッ音楽祭 2019 、2020」推進委員
③加盟:(公社)びわこビジターズビューロー
3.幹事会等の開催状況
(1)幹事会
10回開催
(1月10日(木)、2月7日(木)、3月14日(木)、5月9日(木)、6月13日(木)、7月11日(木)、9月12日(木)、10月10日(木)、11月14日(木)、12月12日(木))(2)企画推進会議
6回開催
(4月22日(月)、5月29日(水)、7月10日(水)、7月22日(月)、9月25日(水)、12月9日(月))〇企画推進員 (規約第12条)
氏 名 現役職名等 秋村 洋 株式会社プラネットリビング 代表取締役 角間 利昭 株式会社しがぎん経済文化センター 文化事業部次長 加藤 賢治 成安造形大学 准教授 中村 順一 文化・経済フォーラム滋賀 副代表幹事 藤原 昌樹 彫刻家