劇団四季 浅利慶太さん逝去 | びわ湖芸術文化財団 地域創造部

滋賀県南部を通過する北緯35度線についての報告を10月1日発行の「湖国と文化」秋号に掲載したところ、連載「大津京、万葉をうたう」で画を担当している日本画家鈴木靖将さんから早速、電話をいただいた。大津市在住の鈴木さんらは大津京の顕彰や琵琶湖疏水の保全活動に取り組んでいるが、大津京や疏水が35度線と交差するところから以前から35度線に注目していたという。そして、1989年に設置されたJR大津駅のモニュメントにも疏水を守る会としてかかわり、デザインなどで協力したそうで、駅コンコースの床面に敷かれた35度線のレールも会のアイデアだったという。
記事を読んで当時の思いが蘇ってきたそうで、鈴木さんらの会では、日本の西端と東端にも触れようと話が発展し、バスツアーを仕立てて島根県の江津市(西端)や千葉県の房総半島にある丸山町(東端)にも出かけたという。西方向に海を越えて行けば、韓国、さらに中国の西安市などにも至る。35度線をたどっていくと、中国の黄河文明、さらにメソポタミア文明、地中海、さらに大西洋を渡って北米へと至る。「北緯35度は文明と深い関係がある気がします」と話していた。
今回、私の35度線は、視界レベル、編集室のあるびわ湖ホールから鈴鹿山系まで、滋賀県の西端から東端までがおよそ50㌔の距離が視覚で見える面白さが出発点だった。これも琵琶湖を擁する滋賀県の特性だと思うが、鈴木さんらの取り組みのような過去のこうした盛り上がりが分かっていたら、また、違った報告の仕方になっていたかも知れない。今回は滋賀県レベルにとどまったが、またいずれ、県外や海外へとはばたきたい、と構想がふくらんでいる。

最近刊の第165号の幸記(後記)でも書きましたが、2010年2月に編集長になって以来、8年余、計35号の特集号を出してきました。今号が最後の特集号になりましたが、いずれも拙いながらも私にとってはそれぞれに全力で取り組んだ思い出のあるものばかりです。私の勝手な思いもこもった作品もあったと思いますが、この間、温かく受け止め、見守っていただいた読者の皆様に厚くお礼を申し上げて、一読者に戻りたいと思います。

平成30年9月30日     植田耕司

お問い合せ先

公益財団法人 びわ湖芸術文化財団 地域創造部 TEL 077-523-7146

インターネットからのお問い合せ