第61回滋賀県写真展覧会(令和4年度)

滋賀県写真展覧会審査結果

出品作品内訳

出品作品総数 応募者数 知事賞・
特選・入選数
579点 249人 125点

審査員

BOCO 塚本[写真家・公益社団法人日本広告写真家協会業務執行常務理事]
山本 功巳[写真家・学校法人日本写真映像専門学校講師]

※募集要項でお知らせしました審査員 水野 真澄氏は山本 功巳氏(前年度審査員)に変更 となりました。

入賞作品

総評

今回初めて滋賀県写真展覧会の審査をさせて頂きましたが、応募作品のレベルの高さに驚きました。今回は残念なことに入選に漏れた方も滋賀県写真展覧会のレベルの高さゆえと考えて頂きたいと思います。(BOCO塚本)

 

知事賞

「四季」 松見 勝郎 (大津市)

選評

作品のレベルも相当高いのですが、シーズンを通じた作品への取り組みも相当評価が高いと思います。四季を通じた組み写真となっているのですが、私には1年で撮影できているとは思えません。長期に渡って制作されているようです。そういった取り組みも踏まえて知事賞に推薦させていただきました。(BOCO塚本)

 

特選・滋賀県議会議長賞

「歓喜」 植田 信子 (草津市)

選評

泥が飛び散り、子供たちが息を呑む。その瞬間のリアリティーがとても良く伝わってきます。シャッターチャンスの使いこなしが見事で、私たちもそこに立ち会ったかのように思えてきます。写真が持つ時間の芸術作品だと思います。(山本功巳)

 

特選・滋賀県教育委員会教育長賞

「絆」 竹中 敏晃 (東近江市)

選評

シマウマの柄を写真に再現し不思議な柄の構成にされています。こういった表現には白と黒のコントラストの調整が大事になります。プリント技術や画像調整の技術も素晴らしいです。(BOCO塚本)

 

特選・びわ湖芸術文化財団理事長賞

「夏時雨の余情」平野 康雄 (守山市)

選評

大きな葉に守られた蓮の花、気持ちがほっとする作品です。クリアな色彩は優しい中にも力強さを感じさせます。見る人を暖かく包んでくれる、そんな作者の優しさを感じます。(山本功巳)

 

特選・滋賀県写真連盟会長賞

「銀輪の行先?」山田 力 (野洲市)

選評

近年の輸出日本語として「Mottainai」という言葉があります。この写真はモノクロ化することによって廃自転車のイメージを消されていますが、今回のコンテストの中では社会性の高い作品だと感じました。(BOCO塚本)

 

特選・読売新聞社賞

「土砂降り」水越 貞範 (守山市)

選評

雨粒のひとつずつが意志を持ったように、流れたり、止まったり、重なったり。いくつもの音を重ねた雨音が聞こえてきます。素直な表現もその魅力を引き立たせています。(山本功巳)

 

特選・朝日新聞社賞

「眼光」藤原 厚士 (守山市)

選評

今回の作品の中ではかなりアグレッシブな創作でした。これほどインパクトのある作品は他にあまり例がありません。写真作品としてはこういった分野も続けてほしいと思います。(BOCO塚本)

 

特選・毎日新聞社賞

「「冷気湖」津田 昌壽 (高島市)

選評

被写体と向き合う大事さを教えてくれる作品だと思います。雪が積もった木が右下から中央に向かうことで寒さの中でも力強い生命力を感じます。雪と山のコントラストが美しい作品です。(山本功巳)

 

特選・中日新聞社賞

「PASSING」北村 隆彦 (東近江市)

選評

自転車が通り過ぎる一瞬をしっかり捉え、フレーミーングや室内と外とのコントラストも見事だと思います。(BOCO塚本)

 

特選・共同通信社賞

「夢みる乙女達」 児島 こう (草津市)

選評

クローズアップされた花、繊細な色彩の美しさを表現されています。横写真で縦の額装、白いマットを使うことで清楚な印象を加えられています。(山本功巳)

特選・時事通信社賞

「路地裏」河﨑 彰 (彦根市)

選評

この写真は影の使い方が絶妙ですね。また、見逃しがちになるシーンをしっかり切り取ってらっしゃるところも見逃せません。(BOCO塚本)

 

特選・NHK大津放送局長賞

「魄・歓・躍」宮上 浩 (大津市)

選評

久しぶりに見るお祭りの作品、躍動感、人々の歓喜、生きている実感を表現されていると思います。動きのある被写体ですが望遠レンズの使い方も見事です。(山本功巳)

 

特選・KBS京都賞

「瞳の中の記憶」俣野 伊久美 (大津市)

選評

基本がしっかりできている方の写真だと思いました。組み方もメリハリがあり楽しめる写真になっています。ミラーの中の車両はいいアイデアですね。(BOCO塚本)

 

特選・BBCびわ湖放送賞

「それぞれの春」北垣 節子 (草津市)

選評

一面の桜の中、卒業されたお二人のお嬢さんの明るい表情が印象的です。年配の女性とおばあさんの4人の関係がはっきりしないところもありますが、その不思議さも作品の味になっています。(山本功巳)

 

特選・京都新聞賞

「ザワメキ」片岡 恭子 (高島市)

選評

ワイドで撮影してもここまでダイナミックなイメージにはなかなかなりません。背景の雲も含めて現地の風が聞こえてきそうです。もちろんプリントテクニックも素晴らしいです。(BOCO塚本)

 

特選・産経新聞社賞

「はちすかげ」杉谷 眞人 (東近江市)

選評

葉脈が際立ち花托の影が生命の力強さを感じます。またモノクロとそのコントラストも作品を際立たたせています。黒で統一された額装も作品の良さを強調しています。(山本功巳)

 

特選・エフエム滋賀賞

「疾走」山田 幸子 (湖南市)

選評

ほぼ線画となっていますので写真かどうか?の議論をするのも楽しそうな作品ですね。多くの写真家やカメラメーカー、フィルムメーカーが努力してきた階調を無視した写真ですが、表現や伝えることも写真の醍醐味ですね。(BOCO塚本)