第58回滋賀県写真展覧会(令和元年度)

滋賀県写真展覧会審査結果

出品作品内訳

出品作品総数 応募者数 芸術文化祭賞・特選・入選数
473点 244人 130点

審査員

吉野 晴朗 氏 [写真家・(公社)日本写真家協会会員(JPS)]
森   誠 氏 [写真家・(公社)日本広告写真家協会会員(APA)]

入賞作品

総評

入賞・入選された皆様、大変おめでとうございます。
 今年は昨年よりも作品に個性がありおもしろい作品も多く、応募された皆様が写真作品と真剣に向き合っている強いエネルギーを感じます。何にでもチャレンジし、より良い作品になるように努力する事が大事です。来年の展覧会に向けて、ルール・マナーを守り撮影を楽しんでもらいたいです。

 

芸術文化祭賞

「初夏の沿線」 岩井 俊祐 (野洲市)

選評

組写真としての構成を考えながら、バランスがうまく取れた作品に仕上がっています。この作品の凄い点はお天気もほとんど一緒のように見えるのですが、雲や空の様子が全く異なる所です。そこへ魚眼レンズで見せる感覚的なおもしろさがあり、審査員の意見も一致。最高賞に選びました。三枚とも違う鉄道会社を使ったところがポイントになり素晴らしいと思います。(森)

 

特選・滋賀県議会議長賞

「ゼブラ art」 玉田 美佐緒 (近江八幡市)

選評

似せた線を対照させた作品でユーモアを感じます。水に反射して映る歪んだ途切れ途切れになった曲線とシマウマのしっかりした線とが面白いです。(吉野)

 

特選・滋賀県教育委員会教育長賞

「暴れ神輿」 上田 薫 (大津市)

選評

作品から出てくるパワーをものすごく感じる作品です。作品の処理がうまいのでここまでのパワーが表現できているのではないでしょうか。一枚一枚が素晴らしいです。(森)

 

特選・びわ湖芸術文化財団理事長賞

「冬ものがたり」 折笠 さつき (守山市)

選評

明るく透明感のある画面で観る人の想像を掻き立てています。誰でもが知っているブランコや人物がうまく配置されていて眼も楽しませています。たおやかな音楽が聞こえてきそうでメルヘンを感じます。(吉野)

 

特選・滋賀県写真連盟会長賞

「人生光路」 藤原 厚士 (守山市)

選評

偶然性が大事ですが、いつくるかわからないおばあさんをこの場所で待ち、ストロボでしっかり撮影しています。しっかりと計算された一枚ではないかなと感じます。(森)

 

特選・朝日新聞社賞

「香雨の朝」 平野 康雄 (守山市)

選評

絵画調で日本画の世界です。色彩を落として全体を淡く仕上げています。観る人に身体全体の力を抜いて優しくしてくれる作品です。「ピントが合っている」「ボケている」「浅い色彩」といった技法がうまく絡んでいて静かに落ち着く作品に仕上げています。(吉野)

 

特選・中日新聞社賞

「行き交う」 宮﨑 真一 (長浜市)

選評

お気に入りの一枚です。よくあるシーンでつい撮ってしまうような一場面です。良い空気感が大事にできています。人が歩いている間隔、柱などバランスよく仕上げています。何枚もシャッターを切って撮影した作品ではないでしょうか。空気感の中の色彩がやわらかくいい感じですね。(森)

 

特選・時事通信社賞

「追憶」 田中 康雄 (野洲市)

選評

暗い画面の中にわずかなグラデーションで仕上げて長い歴史を感じさせています。暗い部分は目を凝らさないとわからないほどつい惹きつけられる作品です。トーンをきれいに表現していて静かな時の蓄積を感じます。(吉野)

 

特選・NHK大津放送局長賞

「至福の時」 西河 孝 (近江八幡市)

選評

写真から伝わってくるそのままの作品です。こっちまで優しい気持ちになります。一枚だけでも十分だと思えるほど素晴らしいです。相手との距離感もうまく感じることができます。花火も素晴らしいです。(森)

 

特選・BBCびわ湖放送賞

「競演」 山口 末雄 (大津市)

選評

棚田の祭りでしょうか。棚田の畦に灯りが点々と灯され不思議な谷間の風景に、周りを照らすような花火をうまく捉えて不思議な感覚の作品になっています。(吉野)

 

特選・読売新聞社賞

「春たけなわ」 木村 正司 (草津市)

選評

インパクトがあり、なかなか見ることができないシーンです。上へと伸びる竹をうまく使うことで竹を包んでいる皮を立体的に表現できた素晴らしい作品です。(森)

 

特選・共同通信社賞

「怪」 松村 里子 (草津市)

選評

一見モノクロかと思いきや、赤色を効かせ、車を光らせるなどして空気がないのではと思えるような非日常で独特の世界が表現できています。(吉野)

 

特選・毎日新聞社賞

「僕の窓」 中村 友美 (栗東市)

選評

ちょっと不思議な世界が映し出されています。真ん中の子どもの処理がすごくうまいです。光と影の世界を使いながら左の奥などのバランスも良いです。(森)

 

特選・産経新聞社賞

「バラと涙」 魚谷 和子 (大津市)

選評

バラの花を画面いっぱいに広げた中に女性の顔写真が少し斜めに配置され、バラの花ほど涙があるのか遠い過去なのか現在なのか独特の雰囲気が感じられます。(吉野)

 

特選・KBS京都賞

「JR京都駅」 藤本 志郎 (大津市)

選評

赤が効いた作品で丸みを帯びた柔らかさ、立体感が出ています。丸と四角形を組み合わせた組写真としておもしろい交差を感じる作品です。(森)

 

特選・エフエム滋賀賞

「青春アミーゴ」 山岸 美佐恵 (大津市)

選評

造形的な画面でありながらどこかドラマも感じさせます。人物の黒いシルエットと淡いグレーのシルエットは、距離感があるような無いような感覚で観る人の想像を掻き立て惹きつける作品です。(吉野)

 

特選・京都新聞賞

「似顔絵」 本田 昭夫 (大津市)

選評

似顔絵で顔が隠れていて、どんな人たちなのか、カメラは何台で撮影しているんだろうなど、作品の奥の世界が気になる一枚です。(森)